株式会社 スクラムソフトウェア

DXコラム

IT人材不足

DX推進がなかなか進まない理由の1つとして、IT人材不足が挙げられます。

総務省が発表した白書の令和4年版情報通信に関する現状報告の概要第2部第8節でも、「デジタル・トランスフォーメーションを推奨する上での課題」として、取り上げられています。
諸外国に比べても、日本のIT人材不足は大きな障壁になっているようです。

IT人材不足の理由として

・教育体制の遅れ
日本も小学校からプログラミング授業が2020年から全面実施になりました。これで、日本のデジタル遅れも安泰だと思いたいところですが、出来たばかりの教育科目は課題も多く、指導者の力の質の差や、デジタル環境(Wi-FiやPC、タブレットなど)の差により、全国一律にデジタル力のアップとはなかなかいきません。また、上手く教育が成功しても成果がでるのは10年ほど先(2030年)くらいになる事でしょう。

・少子高齢化による労働者人口の減少
これは、言うまでもなく日本の少子高齢化による問題です。どこの産業も人手不足が懸念されるため、デジタル人材も同じく若手人材の確保が難しくなっています。

・技術の進歩の加速の速さ
IT人材は、AI技術など最新技術の担い手の為、新しい技術がでるたびに学び続ける必要がありますが、人材教育の余裕がない企業だと、通常業務に追われるため、最新技術の習得が困難になる場合があります。

・優秀なIT人材の海外流出
最近では、日本でも大手企業が優秀なデジタル人材は新卒者でも、大学でデジタル技術の功績をとった者には、破格の年収を提示する場合があるようですが、それでも日本は海外に比べ、未だに年功序列の社風があり、実力主義の海外とは違い、優秀な技術を持っていても年収に反映されず、実力主義の海外の企業へと流出する動きがあります。

IT人材不足を解決する方法

・デジタル教育の推進
義務教育でのデジタル教育必須だけではなく、高校、大学又は専門学校などでプログラミングやデジタルスキルの導入と強化を推進。新卒だけではなく、中途採用でデジタル人材の確保や既存社員のリスキングにも力を入れる事で、不足するIT人材を補えます。

・外国人IT人材の受入れ強化
日本は諸外国に比べ、海外の人材を受け入れる体制が整備されていません。デジタル分野で活躍する有能な海外のIT人材を受け入れられる体制を強化する事により、人材確保をする範囲が国内だけでなく、世界中へと広がります。

・ITアウトソーシングの利用
アウトソーシングとは外部委託の事です。質の高いスキルを持った人材を確保したり、一時的に多くの人材を確保したりと、臨機応変に対応できます。ただし、DXそのものをアウトソーシングしてしまうと、必要な内容が自社で分からなくなってしまう心配などもあるので、丸投げではなく、パートナーとして上手く取り入れる必要があります。

これらの内容はIT人材不足の課題と解決策のほんの一握りです。
他にも様々な課題があり、多種多様な解決方法があります。
自社の問題としっかり向き合い、その問題にあった解決策を考えてみてはいかがでしょうか?

※ 総務省|令和4年版 情報通信白書|デジタル・トランスフォーメーション(DX)