株式会社 スクラムソフトウェア

DXコラム

2025年の崖からデジタル宣言書まで

 DXレポートが2018年に発表され、約5年になります。
この5年間で、世の中はどう変わったでしょうか?
キャッシュレス決済の普及、さらにコロナ禍の行動制限中に広まったテレワークなど、近頃ではよりデジタルが身近なものとなりました。

2022年7月には、DXレポート2.2(概要)が発表され、
デジタル産業への変革に向けた具体的な方向性やアクションを提示。
◇企業に向けて3点のアクションを指示
・デジタルを、省力化・効率化ではなく、収益向上にこそ活用すべきであること
・DX推進にあたって、経営者はビジョンや戦略だけではなく、「行動指針」を示すこと
・個社単独ではDXは困難であるため、経営者自らの「価値観」を外部へ発信し、同じ価値観をもつ同志を集めて、互いに変革を推進する新たな関係を構築すること
◇上述を実現するための仕掛けとして、「デジタル産業宣言」を策定
◇さらに、宣言の実効性を高めるうえで、デジタルガバナンス・コードへの組み込みを検討
                    (※経済産業省:DXレポート2.2より)

2018年にはじめて発表された「DXレポート」では、「DX=(イコール)レガシーシステムの刷新」という、DXの本質ではない解釈を生じてしまったと、2020年発表の「DXレポート2」で伝え、DXの本質は企業文化(固定観念)を変革することであると伝えられました。
「DXレポート2.1」では、ユーザー企業とベンダー企業の変革へのジレンマについて触れ、それを打破するためには、企業経営者のビジョンとコミットメントが必要不可欠と伝えています。
少しずつDXの必要性と本質が伝わるにつれ、DXを推進する企業も年々増えつつあります。
しかしながら、毎年DX推進指標による自己診断結果の提出を行う企業は増え、平均スコアも増えてきていますが、デジタル投資の内訳は既存ビジネスの維持・運営に役8割が占められている状況が継続していて、DX推進に対して投入される経営資源が企業成長に反映されていません。この状況が自己診断結果を提出していない多くの企業がいることを考えると、深刻な問題だと警告しています。(「DXレポート2.2」より)
「DXレポート2.2」では新しく【デジタル産業宣言】の策定が示唆されました。
これは、デジタルで収益向上を達成するような特徴を「行動指針」として会社へ浸透させ、経営者自らの「価値観」を外部へ発信させるために「宣言」という形式を採用したとの事です。
経済産業省発表したレポートは今回の「DXレポート2.2」で4つ目となります。

2018年の「DXレポート」ではDXの必要性は伝えつつも、具体的な動向が示唆されていませんでした。
その後、デジタルガバナンス・コード(経済産業省によるDXへの取り組み具合を判断する指標)やDX認定(DX推進のための認定制度)など様々な形でDXを進めるための取組みについて発表されています。
毎年発表されているDXレポートは、日々変化しているデジタル社会の中で、DXを意識し、推進し続けるためにも必ず目を通したいものです。

経済産業省:DXレポート 20180907_02.pdf (meti.go.jp)
      DXレポート2 20201228004-3.pdf (meti.go.jp)
      DXレポート2.1 20210831005-1.pdf (meti.go.jp)
      DXレポート2.2 002_05_00.pdf (meti.go.jp)